「女帝」THE EMPRESS ゾンビタロットアドヴェントカレンダー
本日は「女帝」、ゾンビになった娘を育てる母親のカードです。
モデルとなっているのはNIGHT OF THE LIVING DEADのこの親子でしょう。
傷ついた娘を地下室で看病する母親ですが・・・
ゾンビ化した娘がスコップで母親を殺しちゃう!
映画の中では悲劇的な結末を迎えますが、ゾンビタロットの絵はちょっと違うストーリへ向かったようです。
母親が娘の攻撃を切り抜け、そのまま地下室でゾンビの娘を育てて行くことになりました。
「母は強し」!
このカードは「親子の愛情」や「育む」ということがテーマになっています。
見る人によって、この母子の関係をどう読み解くかがまったく変わってくるのがおもしろいところ。
母の手はしっかり娘の体を抱えており、娘の足には鎖が付けられています。
勝手に地下室から出てゾンビハンターにやられないように、と娘を守る目的です。
同時にこれは娘の自由を奪うものでもあります。
ゾンビタロットの勉強会では、この鎖について「娘の方は『どこにも行くつもりはない』と思っているのに縛られている」とか「この鎖の先はどこにもつながれていないのでは?(つまり本当は娘は自由にできる)」など、様々な意見がありました。
凶器となった園芸用スコップは本来の役割を取り戻し、周囲には鉢植えの花が植えられています。
地下室で陽もあたりませんが、少しでも自然の要素を取り入れようとしているようです。
「植物を育てる」、ここでも育成のキーワードが出ています。
母は秋冬の格好なのに、娘は春物、と服装の季節感が違っています。
これは母娘間の皮膚感覚や時間感覚にギャップがあることを示しているのかもしれません。
人間の年齢域に対応する季節(幼少期:春、青年期:夏、中年期:秋、老年期:冬)をあらわしてもいます。
少女はかわいらしい格好をしています。
ゾンビだからと言って着せ替え人形にしているのでは、という推測や、母親の整った身なりから「見栄」を感じる方もいました。
正面に向けられた母の手のひらは、何かを制止しているようです。
彼女たちの親子関係を邪魔するものをストップしています。
「私の娘がゾンビだからって、誰かにどうこう言わせないわよ」と言わんばかりです。
それが母親の深い愛情から来るものなのか、それとも別の執着があるのか。
二人は仲睦まじく見えますが、娘の手には母親にトドメを刺すこともできるスコップが握りしめられている。
そしてそもそもゾンビというこれ以上成長しないものを、育てようとしている。
このカードには非常に複雑な情報がたくさん盛り込まれています。
占いの場でのこのカードは、一番直球の意味では「妊娠」です。
実際に女帝を引いた一ヶ月もしないうちに妊娠が判明した、という女性のケースもありました。