「戦車」THE CHARIOT ゾンビタロットアドヴェントカレンダー
本日のカードは「戦車」です!
カスタム霊柩車は「自己改造」の印
武装した霊柩車がゾンビたちを蹴散らし、地平線に向かって出発します。
ゾンビあふれる世界の状況に対して、どのような存在であれば生き延びられるのか。
それを考えたとき、どんな武器や姿形、態度、目的地を取るべきかが決まりました。
対外的に必要な改造を自らに施して力を得る、それが戦車のカードの持つエネルギーです。
この世界で生き抜くため、霊柩車を改造した
薄着のゾンビは「素」の部分
一方で蹴散らされる側のゾンビを見てみましょう。
下着姿や薄着のゾンビが目立ちます。
これは裸に近い部分、「素」の状態をあらわしています。
着飾ったりテコ入れがされていない、ありのままに近い存在です。
このカードの中でゾンビは「手が加えられていないそのまま」であることを象徴しています。
霊柩車の「改造」に対して「素」を意味するのです。
裸に近い姿のゾンビたちは「素」を意味する
「カスタマイズされた存在」が「素の状態」を攻撃する
改造された霊柩車が薄着のゾンビを蹴散す。
これはカスタマイズされた存在により、素のままの状態が攻撃されている、ということです。
ゾンビが存在するからこそ、霊柩車は武装されなければならなかったし、ゾンビがいない場所へ向かう推進力が生まれた。
「現状そのままでいることはいやだ」「今いる場所はいやだ」という否定によって、エネルギーがわき出します。
否定の力が裏返って戦車のパワーになったのです。
強化された存在の中にも、素の部分は存在する
ゾンビを撃退するはずの霊柩車には、ゾンビらしき手が伸びる棺桶が乗せられています。
否定したはずの素の部分が、車の一番内側に積まれている。
改造されたものの中にも、否定するべき素の状態が潜んでいるのです。
この自己矛盾こそが、自分を強化したり、推進力を得るための、エネルギーの根源になっています。
ゾンビ入りの棺桶を乗せたまま、改造霊柩車は出発する!
否定対象を強調することで更なる力を得る
なぜ戦車のカードは霊柩車を選んだのでしょうか?
あえて死者と関わり深い車に乗ることで、死者(ゾンビ)を否定する意思を強調しているのかもしれません。
戦車の力はなにかを否定することによって得られている。
否定する相手の存在がきわだっているほど、それらを退ける力も強くなり、戦車のパワーや突進力は増すのです。
否定しつつも、その存在を強く意識しなければ力を得られない。
だからこそ死者を想起させる霊柩車に乗っているのではないかと思います。
映画「ゴーストバスターズ」のエクス・モービル。 お化け退治をする主人公たちも霊柩車を改造して使っていた
・・・明日は「正義」のカードをお届けする予定です!