「皇帝」THE EMPEROR ゾンビタロットアドヴェントカレンダー

家や仲間をゾンビから守る頼もしい男、「皇帝」のカードです。

秩序と安定をもたらす主人公キャラ

ゾンビ防衛の定石である「板きれを打ち付けたドア」の前で仁王立ち。
不敵な笑みを浮かべ、「来るなら来い！」という自信に満ちています。
グループの中で最もしっかりした人物であり、秩序と安定をもたらす力を持つ男。
ゾンビ映画なら「これぞ主人公！」といったキャラクターでしょう。

革製の服や手袋、帽子やゲートルなど非常にガード力のある服装をしています。
皮膚の露出がほぼないためゾンビに噛み付かれても感染の可能性が低い。
固さや防御力のある人物を示しています。

一方で彼の背後にいる子供は半袖半ズボンと皮膚の露出が高い。
無防備な存在ということです。
この男性はか弱い存在を守る力があるのです。

手には斧とライフル、二つの武器を持っています。
近接攻撃の遠隔攻撃の二種類が可能で、様々な状況に対する対応力の高さを示します。

武器を二つ持っている、という構図はソードの２にも見られます。

ただこちらは目隠しをして、盲滅法で攻撃をしているようです。
皇帝はしっかり目を見開き、現実を見抜いていると思われます。

一方、腰には銃のささっていない、空のホルスターが。
元々持っていたはずの銃が見当たりません。
ここにはどんな意味があるのでしょうか？

おそらく無くしたか、人にあげたか、どちらかでしょう。
紛失したとしてもまだ武器はたくさんもっている、という自信。
または人に武器を分け与えるゆとり。
どちらにしろ、彼には一つの武器を失ったとしても余裕が残っています。

おそらくは、信頼できる仲間に渡したのではないかという気がします。
その方がグループ全体の攻撃力を底上げできるからです。

女帝と皇帝のカードには両方とも子供が描かれており、母性と父性をあらわしているとも言えます。
しかし、なぜ女帝が守る少女はゾンビで、皇帝の後ろにいる少年は人間なのでしょうか？

これはそれぞれ「敵」と見なす相手が違う、ということを意味するのではないかと思います。

皇帝は単純に「人間対ゾンビ」という、自分たちとは別種の存在に対して敵対をします。
自分の子だろうがゾンビがグループ内にいるならば、それは全体に対する危機と認識するでしょう。
個よりも全体の利益を見るのです。

女帝は全体よりも個を優先させています。
例え他の人間に危害を与えるゾンビだとしても、娘は娘という個人であり守らなければならない。
その娘に危害を与える存在なら、相手が人間だろうがなんだろうが敵である、という考え方です。

両者のやり方は互いに受け入れがたいものでしょう。

そういう意味で言うと、皇帝とこの少年は実の親子でなくてもいいのかもしれません。
グループの中の守るべき子供なのであれば、誰の子だろうと保護するはずです。

皇帝はゾンビ発生後の世界のルールと対処法を熟知しています。
それによってリーダーシップを発揮し、秩序をもたらすことができるのです。

全体の利益を考え、ルールを守ることを要求し、そのかわりに安全を与える。
しかしその分、個人個人の問題に対しては二の次になる場合もあるでしょう。